温室効果ガス観測技術衛星等による排出量検証に向けた技術高度化事業
府省庁: 環境省
事業番号: 20-0072
担当部局: 地球環境局 総務課脱炭素化イノベーション研究調査室
事業期間: 2014年〜終了予定なし
会計区分: エネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定
実施方法: 委託・請負
事業の目的
アジア太平洋地域の途上国では温室効果ガスのインベントリデータが十分に得られないことから、2018年10月に打ち上げられた「いぶき2号」(GOSAT-2)の運用とその後継機「温室効果ガス・水循環観測技術衛星」(GOSAT-GW)の開発、並びに衛星データを補完する地上観測設備等の整備を通して、温室効果ガス算定・報告・検証(MRV)の精度向上を行う。また低炭素社会実現に向け、GOSATシリーズと地上観測設備等との連携により、温室効果ガス人為起源排出削減と効果検証につなげる。
事業概要
以下の事業を実施する。
1.GOSAT-2の運用
2.排出量検証に向けた技術高度化
(1)濃度算出アルゴリズムの高度化
(2)高次プロダクトの検証
(3)GHG排出量推計精度評価のための実証実験
3.GOSAT-GW衛星観測システムの製造
予算額・執行額
※単位は100万円
年度 | 要求額 | 当初予算 | 補正予算 | 前年度から繰越し | 翌年度へ繰越し | 予備費等 | 予算計 | 執行額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | - | 1,740 | 0 | 3,240 | 0 | 0 | 4,980 | 4,587 |
2019 | - | 1,890 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1,890 | 1,711 |
2020 | - | 1,995 | 3,853 | 0 | -4,237 | 0 | 1,611 | 1,514 |
2021 | - | 2,940 | 0 | 4,237 | 0 | 0 | 7,177 | - |
2022 | 5,526 | - | - | - | - | - | - | - |
成果目標及び成果実績(アウトカム)
令和12年(2030年)まで、GOSATシリーズの成果に関して発表される論文が、年あたり40本以上であること。 <目標設定の根拠> ●GOSATは平成21年度から令和2年までの12年間に約480本、年あたり約40本の論文が発表されており、これは世界の温室効果ガス観測衛星の中で最も多い数である。 ●またGOSATは、CO2とCH4の両方に関する論文が発表されている唯一の衛星であり、論文発表において世界一の成果を挙げている。 ●GOSATの成果をGOSAT-2及びGOSAT-GWにおいても継続するため、令和12年まで年40本の論文発表を目標として設定した。
発表論文数(累計)/最終年度の目標論文数(880本) <今までに掲載された主な文献> ・IPCC第5次評価報告書 ・ATMOSPHERIC CHEMISTRY AND PHYSICS ・JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH ATMOSPHERES ・GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS (目標:2030年度に40.0 本)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - 本 | 58 本 |
2019 | - 本 | 42 本 |
2020 | - 本 | 47 本 |
GOSATシリーズの観測データが、各国におけるインベントリ報告書の作成や排出量評価に利活用された件数。 (令和9年度までに累計7件程度を目標)
(インベントリ報告書作成や排出量評価で利活用された実績件数)/(年度別目標件数) <目標件数の補足> 「根拠として用いた統計・データ名(出典)」に記載した状況を踏まえ、目標件数は令和3年度より設定し、令和9年度までに7件程度の各国のインベントリ報告や排出量評価にGOSATシリーズの観測データが利活用されることを目指す。 (目標:2027年度に1.0 個)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - 個 | - 個 |
2019 | - 個 | - 個 |
2020 | - 個 | - 個 |
活動指標及び活動実績(アウトプット)
(事業概要の1.の活動指標) GOSAT-2衛星が宇宙から観測した温室効果ガス観測データを、地上の受信局にて受信した回数
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 445 回 | 445 回 |
2019 | 2742 回 | 2738 回 |
2020 | 2735 回 | 2735 回 |
(事業概要の2.(1)(2)の活動指標) 定常運用を開始したGOSAT-2衛星の観測データから、以下の精度でCO2濃度を算出出来ることを定められた期限までに確認する。 ①【令和元年度まで】CO2気柱平均濃度を1,000kmメッシュ/1ヶ月平均/相対精度4ppm以下で算出できること。 ②【令和3年度まで】雲・エアロゾルがほとんど無い条件で、陸域500km, 海域2,000kmメッシュ、1カ月平均でCO2気柱平均濃度を相対精度0.5ppm以下で算出できること。 ③【令和5年度まで】雲・エアロゾルがある条件で、SWIRでCO2気柱平均濃度を,陸域500kmメッシュ、1ヶ月平均で相対精度0.5ppm以下で測定できること。 ※SWIR:短波長赤外
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | - ppm | - ppm |
2019 | 4 ppm | 3.8 ppm |
2020 | - ppm | - ppm |
(事業概要の2.(1)(2)の活動指標) GOSAT-2衛星の観測データから、GOSAT-2衛星の観測データから、以下の精度でCH4濃度を算出出来ることを定められた期限までに確認する。 ①【令和元年度まで】CH4気柱平均濃度を1,000kmメッシュ/1ヶ月平均/相対精度34ppb以下で算出できること。 ②【令和3年度まで】雲・エアロゾルがほとんど無い条件で、陸域500km, 海域2,000kmメッシュ、1カ月平均でCH4気柱平均濃度を相対精度5ppb以下で算出できること。 ③【令和5年度まで】雲・エアロゾルがある条件で、SWIRでCH4気柱平均濃度を,陸域500kmメッシュ、1ヶ月平均で相対精度5ppb以下で測定できること。
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | - ppb | - ppb |
2019 | 34 ppb | 11.5 ppb |
2020 | - ppb | - ppb |
(事業概要の2.(3)の活動指標) GOSATシリーズの観測データから推計した温室効果ガス排出量と、排出インベントリ報告とを比較評価した国数。(第2回グローバルストックテイクの前年にあたる令和9年度までに8カ国を目標) <補足> モンゴルにおいて、GOSAT観測データから推計した平成30年排出量と排出インベントリ(2014年をベースに2018年を推計)を比較した結果、概ね一致することを確認し、その結果をモンゴル政府と共有。 モンゴル政府が令和3年(2021年)内にUNFCCCに提出する平成30年(2018年)排出インベントリ報告書に、本結果を参考情報として活用される見通し。(平成30年度~令和2年度実績) 令和3年度以降は、モンゴルでの成果を基に、モンゴル以外の国を追加して比較評価を実施する予定。
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 1 国 | 1 国 |
2019 | 1 国 | 1 国 |
2020 | 1 国 | 1 国 |
(事業概要の3.の活動指標) GOSAT-GW衛星センサおよび地上設備開発において、開催を予定している審査会の進捗状況。(審査会開催実績/審査会開催予定数で開発の進捗率を算出) <補足> ※審査会は、開発開始から衛星打ち上げ後の定常運用移行までの各開発工程毎に開催され、開発の進捗が確認される。計7回実施予定。
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 28.6 % | 28.6 % |
2019 | 42.8 % | 42.8 % |
2020 | 57.1 % | 57.1 % |
主要な支出先
年度 | 支出先 | 業務概要 | 支出額(百万円) |
---|---|---|---|
2020 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | GOSAT-2に係る衛星管制運用、地球観測運用及びこれらを実施するために必要となる追跡ネットワーク運用、運用地上設備の維持保守管理を実施する。 | 938 |
2020 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | GOSAT-2に係る衛星管制運用、地球観測運用及びこれらを実施するために必要となる追跡ネットワーク運用、運用地上設備の維持保守管理を実施する。 | 938 |
2020 | 三菱電機株式会社 | 衛星管制運用及び地上設備の維持保守管理 | 484 |
2020 | 一般財団法人リモート・センシング技術センター | 観測センサの校正作業 | 230 |
2020 | 国立研究開発法人国立環境研究所 | 令和2年度GOSATシリーズ観測プロダクト検証委託業務 | 189 |
2020 | 国立研究開発法人国立環境研究所 | 令和2年度GOSATシリーズの高次処理プロダクト作成及び利用に関する委託業務 | 154 |
2020 | 日本航空株式会社 | ボーイング787型機に二酸化炭素連続測定装置(CME)と自動大気サンプリング装置(ASE)を搭載するための機体改修 | 111 |
2020 | 国立研究開発法人国立環境研究所 | ボーイング787型機に搭載可能な観測装置の開発・製作と機体改修 | 111 |
2020 | Kongsberg Satellite Services | 地上局の運用作業 | 106 |
2020 | 国立研究開発法人国立環境研究所 | 令和2年度GOSATシリーズを用いた温室効果ガス排出量把握精度改善に関する技術開発委託業務 | 86 |
2020 | 株式会社ジャムコ | 次世代型CME及びASEの搭載承認の取得準備及び試作品の設計・開発 | 48 |
2020 | 学校法人中央大学 | 令和2年度モンゴルを対象としたGOSAT シリーズ温室効果ガス排出量推計精度評価委託業務 | 20 |
2020 | 三菱電機株式会社 | ミッション運用系システムクラウド化検討 | 17 |
2020 | 一般財団法人リモート・センシング技術センター | 観測データの送信及び処理作業 | 16 |
2020 | 国立大学法人東京大学 | 令和2年度東京及びその周辺域を対象としたGOSAT シリーズ温室効果ガス排出量推計精度評価委託業務 | 15 |
2020 | 宇宙技術開発株式会社 | 衛星の捕捉・追尾運用 | 15 |
2020 | 富士通Japan株式会社 | 地上観測装置を中心として取得された観測データの解析を行い、観測データ及び解析により作成された検証データに不備がないことを確認し、GOSAT検証解析処理システムが使用できる適切なデータフォーマットに整える処理を実施する。 | 14 |
2020 | 日鉄ソリューションズ株式会社 | GOSAT-2研究用計算設備の運用を行う。 | 13 |
2020 | 三菱電機株式会社 | 観測センサの校正作業 | 12 |
2020 | Universität Bremen | 観測データの品質管理と評価 | 10 |
2020 | 国際航業株式会社 | 「令和2年度GOSATシリーズ観測プロダクト検証委託業務」を円滑に実施できるよう多岐にわたる事務的・技術的作業補助を実施する。 | 9 |
2020 | 一般財団法人地球・人間環境フォーラム | アジア航路での大気観測支援 | 6 |
2020 | 三菱スペース・ソフトウエア株式会社 | センサ雲回避機能の運用性向上の検討 | 3 |
2020 | 国立大学法人千葉大学 | 観測データ高度化による品質管理作業 | 3 |
2020 | 宇宙技術開発株式会社 | 衛星管制システムの一部の維持管理 | 3 |
2020 | スカパーJSAT株式会社 | 周波数調整支援 | 2 |
2020 | TISソリューションリンク株式会社 | コマンド信号作成ソフトウェアの維持・管理 | 2 |
2020 | 宇宙技術開発株式会社 | 衛星運用性向上のための検討 | 2 |
2020 | 日本航空株式会社 | 次世代航空機にCMEとASEを搭載するための実機調査 | 1 |
2020 | 富士通株式会社 | 衛星搭載機器データ解析システムの維持・管理 | 1 |
2020 | 紀本電子工業株式会社 | インドネシア温室効果ガス観測ソフトの改善 | 1 |